日本アルパイン・ガイド協会

山岳ガイド養成学校の概要

2023年 ENSA研修1

2024年度山岳ガイド養成学校募集は終了しました。
来年度の募集は2025年4月より受け付けを開始します。

資格の種類と活動範囲について

当協会では山岳ガイドの資格として「アルパイン・ガイド」「アスピラント・ガイド」「マウンテン・ガイド」の3種類の山岳ガイド資格を認定しております。それぞれの活動範囲は以下の通りです。

アルパイン・ガイド
以下の活動を有償で行うことができる。
岩、雪、氷、沢およびミックスルート、山岳スキーについて全ての山岳において、季節に関わらず登山する人の引率及び同伴をすることができる。
登山、クライミング、山岳スキーなどの技術を指導・教育することができる。

アスピラント・ガイド
アルパインガイドになるためのガイド研修期間資格と位置づけている。よってその認定期間は最大で5年間であり、その期間内にアルパインガイド資格に移行出来ない者は、マウンテンガイドの資格が与えられる。
アスピラントガイドは以下の活動を有償で行うことが出来る。

一般登山コースや岩稜ルートについては全ての山岳において、季節に関わらず登山する人の引率及び同伴をすることができる。
岩、雪、氷、沢およびミックスのルートクライミングについては困難なルートを除いて(ルートグレード5級まで)季節に関わらず登山する人の引率及び同伴をすることができる。
山岳スキーツアーの引率をすること。
登山、クライミング、山岳スキーの技術をゲレンデにおいて指導・教育すること。
アルパイン・ガイドの責任下において、アルパイン・ガイドと同等、同レベルの登山、クライミング、山岳スキーツアーの引率をすること。

マウンテン・ガイド
以下の活動を有償で行うことができる。
一般登山コースや岩稜ルートについては全ての山岳において、季節に関わらず登山する人の引率及び同伴をすることができる。
岩、雪、氷、沢およびミックスのルートクライミングについては困難なルートを除いて(ルートグレード3級まで)季節に関わらず登山する人の引率及び同伴をすることができる。
山岳スキーツアーの引率をすること。
登山、クライミング、山岳スキーの技術をゲレンデにおいて指導・教育すること。
アルパイン・ガイドの責任下において、アルパイン・ガイドと同等、同レベルの登山、クライミング、山岳スキーツアーの引率をすること。

ガイド養成学校の概要

ガイド養成の主要機関である養成学校についてご案内いたします。
ガイド養成学校には通常コースとして「アスピラント・ガイドコース」「マウンテン・ガイドコース」の2つ、特別コースとして「アスピラント・ガイド特別コース」「マウンテン・ガイド特別コース」が2つがあり、それぞれの書類審査規定、実技審査基準は以下の通り審査判定されます。
尚、アルパイン・ガイドについては必ずアスピラント・ガイドを経由する必要があるため、直接受験することはできません。

アスピラント・ガイドコース
出願書類を以下の基準で審査する。
書類審査規定
国籍、男女の別を問わない。
年齢は出願時に20歳以上であること。
登山経験
山行日数500日以上で2000m以上の雪山経験が100日以上あること。
100ルート以上の岩壁登攀歴、そのうちに冬季岩壁20ルートの登攀歴を含むこと。
冬季登攀歴20ルート中、少なくとも3ルート以上は、技術的に困難な登攀と客観的に認識できる登攀を経験していること、これらのルートは一部、もしくは全てが志願者によってリードされていること。
沢登り5ルート以上の登攀経験。
山岳スキーの経験20日以上あること。
(山岳スキーを除く限定資格制度あり)
氷河を有する海外登山の経験が20日以上あること。
※ 次の何れかに該当する者は前記の登山経験を免除する。
公益財団法人全日本スキー連盟認定の指導員、準指導員資格所持者、公益社団法人日本プロスキー協会の教師資格所持者。
(一社)日本アルパインガイド協会の認定するレスキューリーダー、レスキューマスター、クライミングマスター資格所持者。

アスピラント・ガイドの資格認定はアスピラント・ガイドコースでの研修結果に基づき、登山能力、ガイド技術が規定のレベル以上であるか審査を行う。

実技審査基準
登山能力
ロックゲレンデにおいてデシマルグレード5.11aのオンサイト能力があること。
マウンテンブーツ+アイゼンにてⅤ級のリードクライミングが出来ること。
5級以上のクラシックルートを確実に登る知識と能力があること。
垂直な氷壁20m以上をリードクライム出来る能力があること。
スキー滑走技術がSAJ2級以上、あるいはそれと同等と見なされる能力があること。
※ 山岳スキーを除く限定資格の場合は不要。
ガイド技術
クライミング技術指導 / アイスクライミング技術指導 / 雪山、雪上技術指導
ロッククライミングルートガイディング技術 / 冬季、雪稜ルートガイディング技術
山岳スキーガイディング / レスキュー技術(夏季) / レスキュー技術(冬季)
救急資格を取得していること

マウンテン・ガイドコース
書類審査規定
国籍、男女の別を問わない。
年齢は出願時に20歳以上とする。
登山経験
山行日数200日以上で2000m以上の雪山経験が50日以上あること。
30ルート以上の岩壁登攀歴、そのうちに冬季岩壁10ルートの登攀歴を含むこと。
冬季登攀歴10ルート中、少なくとも1ルート以上は、技術的に困難な登攀と客観的に認識できる登攀を経験していること、これらのルートは一部、もしくは全てが志願者によってリードされていること。
沢登り5ルート以上の登攀経験があること。
山岳スキーの経験20日以上あること。
( 山岳スキーを除く限定資格制度あり)
※ 次の何れかに該当する者は前記の登山経験を免除する。
公益財団法人全日本スキー連盟認定の指導員、準指導員資格所持者、公益社団法人日本プロスキー協会の教師資格所持者。
(一社)日本アルパインガイド協会の認定するレスキューリーダー、レスキューマスター、クライミングマスター資格所持者。

マウンテン・ガイドの資格認定はマウンテン・ガイドコースでの研修結果に基づき、次の方法で審査を行う。

実技審査基準
登山能力
ロックゲレンデにおいてデシマルグレード5.10aのオンサイト能力があること。
マウンテンブーツ+アイゼンにてⅣ級のリードクライミングが出来ること。
3級以上のクラシックルートを確実に登る知識と能力があること。
垂直な氷壁10m以上をリードクライム出来る能力があること。
スキー滑走技術がSAJ2級以上、あるいはそれと同等と見なされる能力があること。※ 山岳スキーを除く限定資格の場合は不要。
ガイド技術
ククライミング技術指導、アイスクライミング技術指導、雪山/雪上技術指導。
ロッククライミングルートガイディング技術(夏季/冬季)、雪稜ルートガイディング技術。
山岳スキーガイディング 、レスキュー技術(夏季/冬季)
救急資格を取得していること

アルパイン・ガイド研修

アルパイン・ガイドの資格認定はアスピラント・ガイド資格取得後、5年間の研修期間で以下の審査基準にて判定することになります。

実技審査基準
アスピラント・ガイドとしての活動実績
所定の研修内容を消化していること。
氷河圏での研修を修了していること。(フランスにて実施)
ガイド技術
クライミング技術指導、アイスクライミング技術指導、雪山/雪上技術指導。
ロッククライミングルートガイディング技術(夏季/冬季)、雪稜ルートガイディング技術。
山岳スキーガイディング 、レスキュー技術(夏季/冬季)

アルパイン・ガイド特別コース
マウンテン・ガイド特別コース
『アルパイン・ガイド特別コース』及び『マウンテン・ガイド特別コース』については既にガイドとして他国、あるいは他団体の認定した資格を有し、ガイド活動実績のある方が対象となります。
書類審査規定は通常コースと同様ですが、ガイド技術については「充分な実績があり、これらの技術があると考えられる場合には、研修の一部、または全てを免除することが出来る」という規定が適用される場合があります。何れもの場合も書類審査後の判断となります。

ガイド資格取得の流れ

ご希望の養成コースでガイド養成学校への入校をお申込みください。

各年度の4月から6月に入校募集を行います。希望者は以下手順にてお申込みください。

『ガイド養成学校を目指される方へ』をご一読ください。

当協会のガイド養成学校をご検討いただきありがとうございます。入校に当たって、ご自身の目的や希望が明確であるか、現在おかれているご自身の立場は適当であるのかを今一度お考えいただきたく、この文書を記した次第です。

ガイドとは、危機管理がその大きな仕事と言える訳ですが、危険を熟知していなくては危機管理を行うことが出来ないとも言えます。このことは非常に重要で、危険と認識出来る知識は豊富な登山経験から培われるものと、実際のガイディングを通じて得られるクライアントとの関係・経験から得られるものとに分けることが出来ます。つまり登山経験だけではガイディング中の危険を全て認識できるとは言えません。そのため日本アルパインガイド協会では、ガイドとして認定するに当り、書類審査の段階で一定以上の登山経験があることを求めます。これはとりもなおさず、山岳での危険の知識があると考えるからでもあります。

また様々なガイディング中の危険に対応する手法としてガイド技術が確立しています。このガイド技術についてはガイド研修を通じてその技術を身に付けます。その上で実際のガイディングを通してより確実な危機管理が出来るようになります。つまり、AGSJのガイド養成で、登山経験とガイド研修、アスピランガイドとしてのガイディングの経験を求めるのは、この危険の熟知と対応能力を養うことを目的としているからです。

さて、それでは実際の研修を通してアルパインガイドとしてオールマイティにガイディングが可能になるにはどの程度の研修期間が必要なのでしょうか。これまでのガイド養成事業を振り返ってみますと、4~5年の研修期間が必要となるのが現実です。多くの登山経験がある方でも、さらに多くのガイディング技術の修得が求められます。今まで身につけてきた、登山技術の何割かを考え直すよう求められることもあるでしょう。

当協会は、登山経験の多くある方を即ガイドとして認定することはありません。ガイド技術を確実に実践できるまでは研修が終わらないことも理解しておいていただきたいと考えます。よって、ガイド養成学校への入校時には、明確な目的意識と努力が必要となると言うことを是非ご認識してご応募ください。
どうぞよろしくお願いいたします。

一般社団法人日本アルパインガイド協会
資格審査委員会 委員長

書類審査(審査の結果ご希望に添えない場合もございます)

書類審査に必要な書類、提出先、審査料についてご案内いたします。

■ 提出書類
 1.ガイド養成学校入校申込み書
 2.推薦状
 3.履歴書(証明書用顔写真1枚添付)
 4.ガイド観の論文
 5.登山歴(主な岩、雪、氷、沢、縦走などルート明記)→ 書式自由
 6.ガイド歴:(特別コースに応募する場合は必須。通常コースでは不要)→ 書式自由
 7.志願者を取上げた新聞、登山誌等の写し(ある方のみ)
  (注意) 提出された一切の書類の返却、および審査料は返金できません。

■ 提出先
〒325-0303 栃木県那須郡那須町高久乙3505-26
嶌田 聡(資格審査委員長)

■ 提出期限
各年度の6月末日まで
特別コースは随時

■ 書類審査料
 1万円

■ 審査料振込先
 三菱東京UFJ銀行 福生支店
 普通 0068203
 名義:シヤ)ニホンアルパインガイドキヨウカイ

書類審査合格後、受講料をお支払いください。


■ 受講料
 一般コース 30万円
 特別コース 15万円

一括支払いを原則としますが志願者の都合を考慮して2回までの分割支払いを認めます。
受講料については研修費、審査費用が含まれますが、遭難対策保険料金約1.5万円が別途必要となります(遭難対策保険に加入済みの場合は不要です)

■ 受講料振込先
 三菱東京UFJ銀行 福生支店
 普通 0068203
 名義:シヤ)ニホンアルパインガイドキヨウカイ

研修の実施


2024年スケジュール

●アスピラントガイド、マウンテンガイドコース研修 ①~⑨
●特別コース(ガイド経験者)③⑥⑦⑧⑨
●昇格審査(マウンテンガイド→アスピラントガイド) ①~⑨
●更新研修 ①~⑨のなかから一回以上研修

①7月1日(土)~2日(日) 鷹取山 ショートロープ(2日間)
実技:ショートロープでのガイディング技術

②8月5(土)~6日(日) 穂高岳北尾根 岩稜(2日間)
実技:岩稜でのガイディング基礎

③8月25日(金)~27日(日) 剣岳 岩稜・岩場のルート(3日間)
実技:岩稜・岩場のルートでのガイディング技術

④9月23(土)~9月24日(日) 鷹取山 レスキュー(2日間)
実技:レスキュー技術

⑤10 月 城山 (2日間)
実技:フリークライミング研修と指導方法

⑥11月11(土)~11月12日(日) 鷹取山 レスキュー(2日間)
実技:レスキュー技術

⑦12月23日(土)~24日(日) 谷川岳 雪稜 (2日間)
実技:雪上でのガイディング技術

⑧2月10日(土)~11日(日) アイスクライミング、レスキュー(2日間)
実技:アイスクライミング、氷河でのガイディング技術とレスキュー技術

⑨3月16日(土)~17日(日) 谷川岳周辺 山岳スキー (2日間)
実技:山岳スキー技術とガイディング技術

認定


■ 認定後の手続きについて

以下書類の提出をお願いします。
 ・戸籍抄本又は外国人登録証の写し

日本アルパインガイド協会への入会申込
 認定時にお渡しする入会申し込み書に記入し、入会金、年会費の納入後に認定証、会員バッチ等を貸与します。

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